モロッコに行ってみたい!
多くの人はまずツアー会社のパンフレットをまず見ることでしょう.
だけど,ツアーだと行く場所が決められてしまっています.
自分の行きたい場所に好きなだけ居たい!
そんなあなたには、レンタカーを使った旅行が向いているかもしれません!
海外での運転は怖いな,と思っているかもしれませんが,ポイントをおさえて運転すれば問題ありません!
実際にモロッコを運転してみて,レンタカーの借り方や運転する際の注意事項などまとめましたので,参考にしてみてください!
※これは2020年3月の情報です!
実際に旅行に行く際には各社のホームページを確認して下さい。
※2020年4月,新型コロナウイルスの影響で航空便の減便・欠航が相次いでいます。
これにより新型コロナウイルス収束後,モロッコへの入国が解禁された後も航空便を中心に混乱が予想されます。随時,最新情報の入手に努めて下さい.
モロッコ行き飛行機、フェリーの情報についてはこちら↓

【一般情報】モロッコの首都・言語・治安など
首都
ラバト
言語
母語はアラビア語,多くの国民がフランス語を話します.まれに英語が通じます.
主要都市(プライメートシティ)
カサブランカ
通貨
ディルハムDH 1DH=10.5円程度です.(2020.4.17)
気候
アトラス山脈の北半分は地中海式気候区Csで冬はそこそこ寒く雨が多いです.アトラス山脈の南側は砂漠気候区BWまたはステップ気候区BSで暖かく乾燥して居ます.
観光都市
ラバト…旧市街と城塞都市 世界遺産
マラケシュ…旧市街とスーク,夜市 世界遺産
アイトベンハッドゥ…砂漠の民ベルベル人の歴史的住居 世界遺産
フェズ…なめし皮やタジン鍋を作る職人の旧市街 世界遺産
シャウエン…青い色のイスラムの街

治安
だいたい良いのですが夜道は路上強盗に遭いやすいです.
女性が夜にダウンタウンを出歩くのは危険行為です.
また,悪評高い鉄道夜行列車の二等車はスリが高確率で乗ってきます.運転手の目が届く夜行バスにしましょう.一等車はコンパートメント(個室寝台)で安全という噂もありますが,使ったことがなく私が判定することは難しいです.
これはイスラムの国ではどの国も同じなのですが,女性だけの旅行である場合,アジア人は極めて痴漢にあいやすいです.特に多いのが旧市街でお尻や胸を触ってくる事例です.
痴漢にあった場合,大和撫子のおしとやかさは通用しません.
「大阪のおばちゃん」のように睨み付けて日本語で強く「やめろやボケ」と言わないと,興奮してやめてくれません.
残念ながら東アジア人の女性は売春婦でイスラムの国々に入り込んでいる事例が多く,笑っているとそういう人たちと同一視されてしまいますよ!

女性旅行者
合言葉は
”やめろやボケ!!!”
麻薬
Kは薬学の専門家(学位は博士)です.
私の基本方針は「体に対する負担が大きくやるべきではない」です.
しかし,様々な考えの人もいるでしょうから,一応説明しますね.
モロッコではハシシと言う大麻の草があちこちで売られて居て合法です.
タバコやお酒同様に大人が節度をもって扱えば良いと言う考え方です.そこは国の方針ですので否定はしません.人生1度の経験と体験したい人を否定はしません.
ただし東南アジアや中東には量によって異なりますが持込で死刑の国(中国,シンガポール,マレーシア,サウジアラビアなど)があります.軽い気持ちで手を出すと,空港で麻薬犬に発見されて死刑です.
私はイエメンのサナア市のタリハール広場に一部乾燥して黒くなった人間の手が切られて吊るされているのを目にしました.これは盗みを3回繰り返した場合の処置だそうですが,イスラム法の統治下の国では犯罪はどれも厳罰です.
華僑の多い国もおおむね厳罰傾向です.
葉っぱ一枚持ち込まないのはよっぽど神経質に身の回りを掃除する人でないと無理ですし,麻薬犬が吠えて尿検査されたらアウトです.そして一回クロ判定されたらもう死刑は不可避です.
経由便で移動する場合,空港のタラップから飛行機に乗った瞬間からその国の法律が適応されます.例えばシンガポール航空の飛行機に乗った瞬間に所持している場合,麻薬をシンガポールに持ち込んだことになり,シンガポールで降機せず,機内で捨てても経由地のシンガポールで逮捕されて死刑です.
以上のリスクをご勘案の上「安全に」旅してくださいね.
そして当然ですが,大麻か否かはともかく酩酊状態に至る薬物を使用した場合,法的に合法であっても車の運転は絶対に控えてください!人を巻き込む交通事故を起こすとモロッコで何年も檻の中ですよ!
【レンタカー事情】モロッコでの自力ドライブは可能です!
モロッコにあるレンタカー会社
エイビスレンタカーAVIS
ハーツレンタカーHERTS
ユーロップカーEuropecar
バジェットレンタカーBudget
大手のレンタカー会社はほぼモロッコにも営業所があります.
なので,モロッコの国内でのワンウエイレンタル(例えばタンジェで借りてマラケシュで返却するなど)も可能で,割増料金もほとんどない会社が多いです.

料金はコンパクトカーで1日7,000円くらいから,日本車の最高級4WDで1日30,000円くらい!
2020年5月22日,HERTSはコロナの影響で経営破綻しました. 経営者が変更になるか,会社が解散されるか未だ未定です. ご利用の際にはWEBでご確認下さい.
国境を超えたレンタカーでの移動は不可能!
モロッコは海路でヨーロッパと接していますが,レンタカーで国境を越えることは不可能です.
さらに,国境を接しているアルジェリアは特殊な国家体制であり,そもそもレンタカーを使った旅行自体が困難です.
そして西隣には「西サハラ」という帰属未定地域があります.実はここは独立国家だったのですが,独立国家だった時の統治者は追放され,現在はモロッコの実質上の領土です.
ですから公共交通機関を用いればパスポートコントロールを受けずにそのまま最南端のダクラまでバスかモロッコ航空国内線で移動できます.
ただし,ワンウェイレンタルでレンタカーを返却しようにも,そんな政治的に微妙な場所に大手が営業所を出すわけにもいかず,ローカルのレンタカー会社が,ダクラで借りてダクラで返すという営業で細々と営業しているだけです.
ですから,レンタカーでモロッコ・西サハラ間の陸路国境を越えることも困難です.

残念ながら、レンタカーでヨーロッパ,アルジェリア,西サハラの国境は超えられないよ…
ちなみに,パリ=ダカールラリーというオフロードのカーラリーをかつてフランス主催でやっていました.
いずれも自家用車を自己所有で持っていれば船でスペインからモロッコに入り,海伝いに西サハラ,モーリタニアと移動できますが,ニジェール川を渡ってセネガルに入る橋がなく,ダカールまでは移動困難です.
また,ニジェール海運という悪名高い「ぼったくり集団」と国境で粘り強く交渉しないとひと財産巻き上げられてしまいます.
かつてはアルジェリアのタマンラセトを通ってマリのトンブクツに抜けるルートも通れました.しかし今では,アルジェリアの内戦でサハラ砂漠奥地は通過困難になってしまいました.
いずれにせよ自分の所有する自動車があり,国境で長い通関時間を待てる人は陸路でアフリカ横断は可能です.
パリには「フランスで購入した中古車をダカールまで運転して運んで売却する」という商売もあるようです.探し出すのは大変そうですが,フランス語ができて数百万円を一瞬だけでも車に投資できる冒険家は試してみるといいかもしれません.
素人が生半可な気持ちでできる旅では決してないことだけは理解しておいてくださいね.
借りられる車や車種は?
フランス車が安く借りられます.
最安値の料金帯がフィアットやプジョーなどです.
トヨタもありますがYARISという海外用の車種です.
気をつけたいのがミッションであり,安い料金ならほぼマニュアルです.
AT車はチェコのSKODA以上でないと存在せず,おおよそマニュアル車の倍の値段,つまり1日あたり15,000円程度かかります.
AT限定免許の方は,金銭的に車でモロッコ周遊をするには,倍くらいのお金がかかってしまいます.
ヨーロッパはATが少なく,今後もATにする気がないように見えます.

ヨーロッパやアフリカを運転するなら、やっぱりマニュアル車!
安いし、運転も楽しいし、良いことづくし!
ですから,ヨーロッパでもこれから運転したいなあ,とお思いなら,この機会に日本で教習所に通ってAT限定解除してから旅立たれた方が割安ですよ.
場所にもよりますが7〜8万円くらいでAT解除できるはずです.安く済ませたいなら運転免許試験場で一発試験を受けて解除することもできますが,試験官である警察官に試験中に怒鳴られて凹むことが多いそうです.大体4〜5回は落ちるそうですよ.
ガソリン価格は?
日本並みか日本より高めです.
大体1Lで13DH(160円)くらいでした(2017年3月時点).
ヨーロッパ車は環境基準によってハイオク限定か高純度ディーゼル車が多いです.
どこで借りられる?

空港や街中にレンタカーオフィスがあるよ!
街中のレンタカーオフィスはモロッコの場合,新市街にあることがほとんどであり,比較的わかりやすいです.
ただし,貸出(チェックアウト)はやはり空港でした方が無難です.
空港近くにレンタカーの駐車場があり,そこから車を回してくることが多いので,飛び込みより前日午前中までにネットで予約した方が待たずにチェックアウト可能です.
返却(チェックイン)は空港か港がお勧めです.
街中のレンタカーオフィスの位置は,地図上にマッピングされていてもかなりいい加減です.探すだけで一苦労です.
道路交通事情はどうか?

モロッコは日本とは全く逆の,右側通行!
レンタカーで貸し出される車も左ハンドル車が多いよ!
モロッコを走る場合に覚えておく必要があるのは,モロッコのまちのつくりです.
モロッコをはじめ中東地域の街には「旧市街」と「新市街」の二つの地域があり,まちの作りが全く異なって居ます.
『旧市街』と『新市街』の違い!道路事情が全く異なります!
『旧市街』と『新市街』の違い 『旧市街』 モロッコはイスラムの国であり,砂漠の王国です. こう言った国々は,近代以前は,外敵から住民を守るために城壁で囲まれた城壁都市でした.この城壁で囲われた地域を「旧市街」といいます. 『新市街』 近代以降,特にフランスが植民地経営を行なっていた時代からは,城壁の外側に近代的な都市が形成されて住民たちが城壁の外にも住むようになりました. その地域を「新市街」といいます.
『旧市街』の運転
一般に旧市街はそもそもが外敵が迷うように作られています.
道は車1台がギリギリ通行できる程度の幅で,常に人が行き交っています.
旧市街に車で入ることができる国もありますが,モロッコではほぼ困難と考えてください.
だからレンタカーで旅する場合は,新市街のホテルをとり,旧市街に観光で行く場合は,旧市街の入り口の駐車場まで車でアクセスし,そこに車を駐車して徒歩で観光することになります.
また,マラケシュのように広場までは車で入れることもありますが,夕方以降は広場には屋台が出るので,車は通行不能になります.
うっかり昼間,旧市街に駐車して夕方以降になると,もはや翌朝まで出られないという事態になります.
旧市街のリヤドに泊まりたい!そんなときは…
旧市街にはリヤドという,モロッコの伝統家屋をおしゃれにした旅情たっぷりの宿がいくつもあり,せっかくモロッコに来たらその宿を試してみたくなります.
その場合は,車を借りずにリヤドに宿泊して,その街を離れるときにレンタカーを借りるのが経済的にはいいでしょう.どうせ旧市街観光には車は役に立ちませんし,旧市街の中はどんなに広くても歩くほかないです.
また,旅の途中で通過する街でリヤドに泊まりたい場合は,町外れにあるリヤドにするか,城壁都市の入り口の門の近くにあるリヤドに泊まるのがいいでしょう.
駐車場はしっかり管理してくれる,門扉のあるところを推奨します.
サッカーの試合の後など,興奮したフーリガンが車にスプレーで落書きしているのを見かけますが,その場合の弁償は当然借主になりますよ.

ラウンドアバウトに注意!
次に覚えておきたい交通事情があります.
新市街は道も太く走りやすいのですが,旧フランス領独特の仕組みとして,交差点に信号がなく,99%がロータリー(ラウンドアバウト)です.
ラウンドアバウトは,
①ラウンドアバウト内を走る車に優先走行権があるということと
②必ず反時計回りにラウンドアバウト内を走る必要があり,逆走不能であること
を覚えておいてください.
つまり左折したい場合はラウンドアバウト内を3/4周して抜ける必要があります.
そしてもう一つ.
ラウンドアバウト直前には車にラウンドアバウトの存在を体でわからせるため道路にわざと「こぶ」(バンプ)が作ってあります.
知らず突っ込むと,恐ろしい振動で頭を車の屋根にぶつけたり,下手したらタイヤのホイールが外れます.ラウンドアバウトの標識を見たら,十分に減速してください.

ラウンドアバウトは慣れるととても便利!信号も少なくて楽ちん!
だけど、タイミングよく突っ込まないと、なかなかラウンドアバウト内に入れないことも…
速度制限に注意!
速度制限についても気をつけてください!
フランスの旧植民地は速度制限もほぼ共通です.
どんなにクネクネの一般道でも,特に何も標識が出てなければ最高時速は100km/hです.
町の標識が出てから,町の終わりを示す赤い斜線の入った標識が現れるまでの区間は60km/h制限です.
町の入り口には警察官がスピードメーターを持ってよく取り締まりをしています.
フランス語がわからぬふりをすればうやむやにできたりするのですが(笑),安全に運転する気持ちだけは忘れずに運転してくださいね!
免許は?
自分が所持する自動車普通運転免許証を発行した公安委員会のある都道府県の運転免許試験場または指定された警察署に①国内の有効な運転免許証,②顔写真,③手数料,④パスポートを持参することで取得可能な「国外運転免許証」で運転が可能です.
借りる際には,日本の運転免許証が絶対的に必要であり,忘れると貸してくれないので気をつけてください!.(国外運転免許証は日本語が読めない人に向けた,日本の運転免許証の「翻訳証明書」のようなものに過ぎないです.)

日本の運転免許証は必須アイテム!
駐車場は?
旧市街の入り口,観光地の前などには広い駐車場があります.
ホテルも極端な安宿以外は駐車場があるため駐車に困ることは少ないです.
レンタル料金は?
大体1日あたり7,000円から30,000円程度です.
保険はフルプロテクションに入りましょう.おおよそ1日1,000円程度です.
実際に運転してみるとわかりますが,山道はカーレースしてるようなくねくね山道で,市街地は牛や羊や人間が次々飛び出してきます.

運転手付きは?
可能ですが,1日1,000円から5,000円程度の追加料金がかかります.
ですので,運転手付きを考えているなら,旅行会社でアレンジしてもらうのが確実で結果として安上がりです.
運転手つきは楽ですが運転手はフランス語しかわからないことが多く,自分で運転した方が実は簡単だったりします.
タクシーチャーターも可能ですが,彼らもほとんどフランス語しかわからないことは同じです.
※旧フランス領はタクシーに2種類あります!
①「プチタクシー」 市内限定
②「グランタクシー」市外まで出ることが可能
料金は数百円で移動できるプチタクシーが圧倒的に安く,グランタクシーは高いです.
グランタクシーは,例えばタンジェからセウタまで移動するときに途中の街に少しよってもらうなどの利用法もできますが,プチタクシーで都度お金を支払ってバスのように利用した方が安いです.
道路整備状況はどうか?
道路は極めて良く整備されて居て走りやすいです.
ただし,東西方向の移動と南北方向の移動ではかかる時間が全く異なります.
この国には国土の中央をアトラス山脈が東西に伸びており,これを越えるにはかなりの時間がかかります.
3000m級の山をほぼトンネルを使うことなく超えていく山道は勾配も旧な上にカーブもきつく,横転したトラックがいくつも途中に見られます.
東西移動は70kmあたり1時間くらいで考えて移動可能ですので,頑張れば800km程度は1日で移動可能ですが,アトラス山脈越えは100kmほどしかなくともおおよそ1回北から南へ,または逆に南から北へ抜けるのに4〜5時間かかります.
夜は断崖絶壁に電気もなく,本気で命の危険を伴います.
特に東部の夜間の山越えは未舗装道が多く自殺行為です.

アトラス山脈越えは午前中に!
無理せず余裕を持って山越えをしましょう!

結び
モロッコに興味を持って頂けたでしょうか??
モロッコはnanaが初めて行ったアフリカで,運転免許を取得して初めて運転した地でもあります.とても思い出深い国です.
…まあ,たくさんトラブルにも見舞われたのですが,それについてはまた後ほど(笑)
モロッコ行ってみたいな!
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