世界車旅行 ~Wild Animal Driving~
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【アブダビ・スペインまわり南米紀行⓪】あえてスペイン経由で南米に行くメリットとは??

スペイン

【旅の誘い】3月ですよ,旅の季節ですよ!

2月がなぜ28日しかないのでしょうか?

子供の頃,私はとても不思議でした.
でも,小学校高学年になって理科の参考書か何かに

理科の参考書
理科の参考書

昔は3月が始まりの月でした.
1年はおよそ365日6時間なので30日や31日で1ヶ月を区切ってゆくと足りなくなってしまいます.
だから2月は日数が少ないんのです!
そして6時間が4つ集まると24時間になるから,4年に一回閏年が来るんだよ!

と,書いてあり,へーそーなんだー!といたく感激したのを覚えています.

だから10月(October)がオクトパス(たこ)と同じ語源を持つ「第8の月」,11月(November)は「第9の月」,12月(December)は「第10の月」という名前が付いているんですよね.
※化学で使う数の接頭辞:1=mono,2=di,3=tri,4=tetra,5=pent,6=hex,7=hepta,8=oct,9=non,10=decという数え方ですよ!)

つまり3月は始まりの季節です!

大きな仕事を始める場合や,なんかついてないなーとかいう場合,新年や月初めに「いい方角」に思い切って旅をして運気アップを狙うなどということが日本古来から陰陽学(おんみょうがく)で行われてきました.
私たちも,去年夏に踏んだり蹴ったりのスロベニア旅行で染み付いた悪運たちをどこかで払わねばなりませんね!!

ということで,始まりの月にふさわしく,運気アップのためにも,さあ旅をしましょう!世界が私たちを待っています!(以上,スーパー屁理屈劇場でした・・・)

【スペインまわり南米行き】わざわざスペイン経由で行く理由

ちょっと中南米の歴史的な話をして,今回なぜ私たちがわざわざ地球を3/5周してスペイン周りでいくのかお話ししておきましょう!

【歴史】南米とスペイン・ポルトガルの密接な関係

15世紀から17世紀にかけて,世界はヨーロッパのイベリア半島にある2国・スペインとポルトガルによる世界征服の真っ只中にありました.

イベリア半島はそれ以前の700年間,アフリカからやってきたウマイヤ朝の各王国による支配を受けていました.そう,モロッコのマラケシュなんかからやってきたアラブ人の支配下に長いことスペインは置かれていました.
想像し難いかもしれませんが,スペインやポルトガルの地域は,かつては白人でなくアラブ人の土地だったのです!
そのため,スペイン南部にはイスラム支配時代の遺構がたくさん残っていて,アンダルシアにあるアルハンブラ宮殿などは,マラケシュと支配者が同じというのも納得の構造をしていてなかなかに興味深いです.

しかし,驕れるのものは久しからず.

アフリカ勢が勢いを弱めていったことで,キリスト教徒たちによってイベリア半島は「700年前に失った領土」を取り返して行きました.これをレコンキスタと言います.
その勢いそのままに,船に乗ったイベリア半島の民は遠く日本にまでやってきました.そう,鉄砲伝来とその後の1549年に日本にやってきたフランシスコ・ザビエルです.

スペインとポルトガルのやってきた場所は大体が植民地としてスペインやポルトガルの支配を受けました.
その手口は極めて単純で,支配手順は3段階でした.

〜とても分かりやすい植民地の作り方〜

①商人が南蛮渡来の珍品で人の心を引きつけます.

②宣教師を派遣して人心を掌握

③軍隊を派遣して支配者を殺害して支配

日本では織田信長・豊臣秀吉・徳川家康と支配者が変化していく中で「こいつらやべーやつだ」と気付いてキリスト教を禁止し,鎖国に至りました.

一方で,西に出かけたスペイン人は中南米の広大な土地をこの手でどんどん手に入れて行きました.
異教徒の現地の国王は生きたまま何時間もかけてとろ火で火あぶり,残虐さに驚いてキリスト教の洗礼を受けた現地の国王は「人道的に」牛で八つ裂きの刑か絞首刑にされて行きました.

この時代はヨーロッパの力関係が変化してゲルマン系のドイツ・オランダが力を持つ時代まで続きました.
これ以降,広大なスペイン語とポルトガル語を共通言語とする文化圏が,中南米に出現したのです.

歴史には必ず光の部分と影の部分があります.
その善悪を後世に生きる私たちが,自分たちの基準で裁くことはナンセンスです.
スペイン人やポルトガル人は確かに残虐の限りを尽くしてきました.
差別や人権侵害も酷かったです.
しかしこの結果スペインごという共通言語の文化圏ができ,経済活動は容易になりました.
そして宗主国がしっかりしていなかった旧植民地はインフラの整備が遅れ,いつまで経っても日本の戦国時代のように戦いに明け暮れる時代から抜け出すことができません.
過去は過去として,現在の世界ができた理由を知れば,異民族を理解することができ,真の国際親善に繋がります.

そして何より実は安く旅をすることができるのです!

【 なぜスペイン周り南米行きは安いのか?】実質国内線のような扱い

航空路線は需要の多いところに集中して設置されています.

例えば,東京羽田から札幌千歳ゆきは6時から21時まで少なくとも30分に1本の間隔で日本航空と全日空が飛行機を飛ばしています.
私も帰省の時にはいつも飛行機ですが, いつ乗ってもほぼ満席で飛んでいます.
鉄道や船・バスでは時間がかかりすぎる為飛行機でしか行けない路線は需要が高く,結果として多くの飛行機がお客をピストン輸送しています.

ただ,航空定期便の設定は多客機も閑散期も同じだけ飛ばしますから,閑散期にはお客が乗ってもらえず「まあ空気を運ぶよりはいっかー!」と,思い切った安売りをして座席を埋める努力をすることも多いです.
だから,北海道だと雪まつりが終わって雪解けで全てが泥まみれの汚い季節・3月4月はお客が乗ってくれず,結構安いパックなんかが出回っています.
本州に出てきてびっくりしたのは,この時期に札幌往復+ホテル1泊で購入しても3万円程度の商品も出ていることです!
普通に往復航空券を買うとざっくり5万円するので「本州の人はおトクだーねー」と思ったものです.
こういう商品は主に国内線でよく見られます.

でも,例えば北海道が独立して他の国になったとしたらどうでしょうか?

国がどうであれ,それによって東京と札幌の結びつきが弱まるものではないです.
商品のやり取りもあるでしょうし,私のように東京にいるけど友達は札幌など道内にかなりいる場合もあって,結局「太い流動」はそのまま残ります.

つまり,かつて国内線であった宗主国と独立した旧植民地の間を結ぶ航空路線は,国内線に近い価格で残ることが多いのです.
だから,モロッコに行きたいなら旧宗主国だったフランスから,ペルーに行きたいなら旧宗主国のスペインから飛ぶとずいぶん安いチケットが入手できるのです!

実際,この時私たちが購入したスペインのイベリア航空・マドリード(スペイン)とリマ(ペルー)の往復が550ユーロ(68,000円程度)でした.

そして,最終的に私たちが選んだ経路はこちら!

マドリード(スペイン)とリマ(ペルー)の往復はスペインのイベリア航空の550ユーロ(68,000円程度)でいいとして…
マドリードまでが高いと元も子もありません.

「3月に,安く飛ぶなら,中国便」!
お得意の中国国際航空で東京⇄北京⇄マドリードが10万円以下でした!
北京乗り継ぎはちょっと…いや相当不愉快なのですが,安さには勝てません!

…と思ったら,なんとそれよりも若干安い航空会社があるじゃないですか!
アラブ首長国連邦UAEのアブダビ経由で行く「エディハド航空」です.
詳しい旅程は無くしてしまったので,今の(2020年)フライトスケジュールでご紹介.

<往路>

 東京(成田) 17:30発 (エディハド航空EY871便)アブダビ    00:35到着
 アブダビ  02:25発 (エディハド航空EY75便) マドリード  07:55到着
<復路>

 マドリード 10:10発 (エディハド航空EY76便) アブダビ   19:25到着
 アブダビ   21:50発 (エディハド航空EY872便)東京(成田)  12:55到着

これなら中国国際航空と遜色ありません!
しかもエディハド航空は全日空とマイル提携を行っており,エディハド航空に乗った分のマイルを全日空のマイルとしてカウントできるサービスを当時はやっていました.
(残念ながら,今はもうマイル提携をしていないのです…)

これを使わぬ手はありません!
ということで今回はエディハド航空でアブダビ経由で向かうことになりました!

【2018年春の旅行計画】アブダビ・スペイン経由でペルーに行こう!

旅行期間
2018年3月11日〜3月26日

旅程
※移動手段について
  ✈️→飛行機 
  🚶‍♂️→徒歩・公共交通機関 
  🚙→レンタカー
  🚌→バス
  🚖→タクシー
⛴→船
 
3/11
17:30✈️成田空港(NRT)発 

3/12
00:35✈️アラブ首長国連邦 アブダビ空港(AUH)着 
02:25✈️アラブ首長国連邦 アブダビ空港(AUH)発
07:55✈️スペイン マドリード(MAD)着 → 🚶‍♂️マドリード宿泊

3/13
??:??✈️スペイン マドリード(MAD)発
??:??✈️ペルー リマ(LIM)着 → 🚶‍♂️リマ宿泊

3/15
06:20✈️ペルー リマ(LIM)発
08:10✈️ペルー イキトス(IQT)着 → 🚶‍♂️イキトス宿泊

3/16-17
08:30⛴アマゾン川流域のロッジへ → 🚶‍♂️アマゾン川宿泊

3/18
08:40✈️ペルー イキトス(IQT)発
10:30✈️ペルー リマ(LIM)着 → 🚶‍♂️リマ宿泊

3/19
07:00✈️ペルー リマ(LIM)発 ?
10:00✈️ボリビア ラパス(LAP)着
12:00🚙ボリビア ラパス(LAP)発
16:00🚙ボリビア ウユニ着 → 🚶‍♂️ウユニ宿泊

3/20
08:30🚙列車の墓場
11:00🚙ウユニ塩湖

3/21 
04:00🚙ボリビア ウユニ発
11:30 🚙ボリビア ラパス(LAP)着
14:00 🚌ボリビア ラパス(LAP)発
16:00 🚌⛴ボリビア コパカバーナ経由
21:00 🚌ペルー プーノ着 → 🚶‍♂️プーノ宿泊

3/22
??:00 🚌ペルー プーノ発
14:00 🚌ペルー クスコ(CUZ)着 → 🚶‍♂️クスコ宿泊

3/23
??:??✈️ペルー クスコ(CUZ)発
??:??✈️ペルー リマ(LIM)着
??:??✈️ペルー リマ(LIM)発

3/24
12:00✈️スペイン マドリード(MAD)着 → 🚶‍♂️マドリード宿泊

3/25
10:10✈️スペイン マドリード(MAD)発
19:25✈️アラブ首長国連邦 アブダビ空港(AUH)着
21:55✈️アラブ首長国連邦 アブダビ空港(AUH)発

3/26
12:55✈️成田空港(NRT)着

航空会社
成田⇄アブダビ⇄マドリード:エディハド航空
マドリード⇄リマ:イベリア航空
リマ⇄イキトス:ペルビアン航空
リマ→ラパス:ラタム航空
クスコ→リマ:ラタム航空

【2018年3月12日】 

成田空港 17:30発✈️,アブダビを経由してマドリードへ!

 熟田津(にきたつ)に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎいでな
 [意味]熟田津で船に乗ろうと月が出るのを待っていると,潮の流れも船出の条件と合致した.さぁ,今こそ漕ぎ出そう

                                             万葉集   額田王

東京成田空港発エディハド航空EY871便アブダビ行きが今回の私たちの第一走者です.

実はKはウィーンに向かう際に何度もこのアブダビ周りを利用したことがあり,流石産油国で燃油サーチャージが極め付けに安く,原油の高い時期だと他の便は太刀打ちできない価格になります.
中国国際航空みたく乗り継ぎの北京でカバンを必要以上に漁られて不愉快な想いをすることもないですし結構おすすめです!
ただし,春休みには学生さんの卒業旅行がこの便を私と同じ理由で利用するため,超満員になることと,ヨーロッパ北部へ向かうにはかなりの遠回りになるのが難点です.
ただ,食べて寝てればいいので私はそんなに気にはならないのですが.

Kはこの段階で結構な汗をかいていて,普段よりも必要以上に疲れており,やけに暑く感じていましたが…気にしないことにしました!
病は気からっていうじゃないですか!

さあ,いよいよ旅です!今回はどんな出会いがあるのでしょうか?楽しみです.

K
K

ゴホン.

…あれ?

結び

これまで何回も弾丸旅行をしてきましたが,この旅は,
とんでもない旅だった!!!
と,自信を持って言えます.

これまでも
モロッコの荒野をレンタカーで爆走し
地雷原を越え
ギャングに賄賂をたかられながら陸路(川)国境を越えて
と,あまり一般的でない旅を繰り広げてきた私たちですが,
今回も
熱にうなされ,一向に咳は治らず,
車が湖の中を慣性に従って浮遊し,
交通事故で遮断された道を回避して道無き道を爆走し,
女神が降臨して慈悲を承り,
やっとのことで日本にたどり着いたと思いきや,消息不明になるK…

などなどトラブル盛り沢山!
反面教師に持ってこいな記事なので,ぜひまたいらしてください☺️

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