世界車旅行 ~Wild Animal Driving~
世界を車で走ってみませんか?

背景:nana

【アブダビ・スペインまわり南米紀行⑥】波乱万丈のウユニ塩湖観光!水鏡と戦うTOYOTA🚙!命がけの大脱出劇!

ボリビア

本日はボリビアの最も有名な観光地,ウユニ塩湖にレンタカー🚙で乗り込んでいきます!
前日の移動中には夕陽が湖面に反射して,とても美しい景色を作り出していました.
きっと,本日のウユニ塩湖は水鏡!
とても楽しみです☺️
今日の予定は,列車の墓場(トレイン・セメタリー)ウユニ塩湖の鷲の島を観光する予定です.
そして,忙しない日程ではありますが,翌日のバスでラパスからペルーのプーノまで戻らなくてはならないので,今日中にラパスに向かう途中の街のどこかまで戻って一泊する予定です.

ところで…

K
K

ゴホゴホ.

Kが咳き込んでいます.
顔色も悪いですが,大丈夫でしょうか…?

2018年3月の旅程はこちら↓

【2018年3月20日】ウユニの街を観光する!

事前に高山病対策をしていきましょう!

ここウユニは標高3,700m程度.
ちょうど富士山頂(3,776m)より少し標高が低いくらいの場所です.
高山病のお薬ダイアモックスも昨日から服用しているのですが,調子はあんまり良くありません.

因みにダイアモックスは日本でも入手できますし,ペルーの薬局にもよく売っています.
ダイアモックスは高山病にならないよう前日から,到着3日後まで飲むようにしましょう
(※アレルギー体質の人や持病をお持ちの方,他薬を服用中の方は必ず医師の判断を仰いでください).

Kの咳はヘリコニアの水シャワー以来ずっと続いていますが,良化は見られず,むしろ悪化の一途….
こんな絶不調というのはあまりない出来事で,Kもげっそりしてしまっています.

列車の墓場(トレイン・セメタリー)に行ってみよう!

列車が見捨てられてしまった理由

とりあえずホテルで炭水化物中心の朝ごはん.
ホテルを朝8時ごろに出発しました.

雲ひとつないウユニは太陽が眩しい白を基調とした石と土壁の街です.
まず向かうのは,列車の墓場(トレイン・セメタリー)
列車の”墓場”という名前の通り,現在使われていない線路や多くの蒸気機関車が放置されている場所で,今ではウユニ塩湖近くの観光地として有名になってきました.

現在は放置されてしまっていますが,1879年までこれらの蒸気機関車たちは実際に使われていました.
この列車はかつて,ここから太平洋に面したイキケ市まで鉄道が通っていて,銀・スズ・塩を商品として運び出していたこともあるそうです.
このイキケを含む太平洋に面した地域はかつてはボリビア領であったのですが,細ながーいチリ共和国との銀・スズ資源をめぐる戦争に1880年に敗れてチリに取られてしまったそう.
チリはアンデス山脈の西側に沿って太平洋に面する国なので,海に出るには困らないのですが,ボリビアは太平洋への出口を失ってしまい,鉄道も廃線になってしまいました.

そして,使われないまま放置され,誰にも片付けられることもなく,今では観光地として成長中です笑

赤茶色に錆びた蒸気機関車と,見渡す限りの青空

廃線跡は,ウユニの町のすぐ南にあります.
朝早かったためか,観光客は自分たちの他に2組程度.
この雄大な景色をほぼ独り占めできました.

放置されて130年以上.
1879年まで使われていた蒸気機関車も今ではすっかり赤茶色に錆びてしまっています.
人気もなく,乾燥しきった荒野を鳥たちが飛び回っています.
いくつかの列車は,すでに鳥の住処になっていました.
天空の城ラピュタの様な雰囲気です.

列車の中は迷路のように入り組んでいます.
ここで隠れんぼをすれば,最後まで全員を見つけることは困難でしょう.
なぜなら,放置された電車は軽く20以上.隠れられる場所が多すぎます.

突然,何かが轟音を立てて近づいてきます.
目をやると小さな入れ替え用機関車が猛スピードで通過していきました.
一部はまだ生きている路線なんですね!

※水分摂取は忘れずに.ウユニ市内で充分にゲットしておこう!

さて,喉も乾いたので市内に一旦戻り,水を買って出かける事にしました.
おりあしくこの時には2Lのペットボトル一本と,それ以外は10Lの巨大ペットボトルしかありませんでした.
水がなくなるとイヤなのでとりあえず10Lのペットボトルも2個買っておきました.
この時はnanaに失笑されましたが,買っておいて本当に良かったです
…まぁ,用途は思ったものと違ったのですが….

さて,無いと困るのは後はちょっとしたお菓子とパン類,そしてガソリンです.
ガソリンスタンドウユニ塩湖店とかあるわけないので,町に一軒だけあるガソリンスタンドで給油です.
昨日通った時もすいてたし…と思ったら,今日はなぜか長蛇の列.
これに付き合ってたら軽く30分以上かかりそうなのでやむなくパス.
ま,ガソリンは80%くらいはあるから大丈夫でしょー.
…何故か今日になって急に混んでいたガソリンスタンド.このおかげで,後々私たちは命拾いすることになったのです.

今日もいい天気!南米最大の見どころの1つ,ウユニ塩湖に出かけてみよう!

日本人観光客御一行と道を分かつ,楽天的な冒険者たち

車をしばらく走らせると,ウユニ塩湖への入り口の村に到着です!
ここでは塩でできたアルパカの置物やぬいぐるみなどを販売していて,皆さん営業熱心です.

遠くから何やら日本語が聞こえてきます.
日本のほぼ裏側で日本人観光客の皆さんと一緒になりました.
彼らはワゴン車でここまでやってきたようです.日本語ガイドもついています.
ただ,ウユニ塩湖はすぐそこなのに,ガイドさんの顔は少し陰っているようです.
日本人観光客一行は,みんなで店の奥の食堂に集合して何やら神妙な雰囲気….

日本語ガイド
日本語ガイド

…みなさんにせっかくきて頂いたのですが,お伝えしなくてはいけないことがあります…

何やら深刻な問題が起きたようです.
一体なんだろー?
気にはなったのですが基本的に楽天主義の二人はウユニ塩湖に向かう事にしました.

美しいウユニ塩湖の観光…のはずが…あれ?

ウユニ塩湖は,元々は湖であった場所が干からびて塩だけが湖底に残った湖の跡地の様な場所です.

ここは世界有数の塩湖で,通常干からびた塩でできた湖底を車で走っていくことができます.
見渡す限りの白い世界をドライブできる事で有名な場所です.

一方で,降水量の少ないこの地域でも雨季には年に数回程度湖に薄く水が張り,鏡の様な世界が体験でき,天国にいる様な世界が味わえます.いわゆる『水鏡』という状態です.
そして昨日,ウユニ市に向かう途中でみた湖は,雨季で雨が降り塩湖に水が溜まっている状態の湖でした.

そもそも降水量が少ない上,溜まった水もすぐに干からびるため,水鏡の時期に行けることはかなり「ラッキー」なことです!

さ,湖だ!Kとnanaは車から降りてみました.すると…

見渡す限り湖…

…いや,これ普通の湖だよね.

途方に暮れていると
前方に水の中を走る車がいます!
そうか,浅いんだ!でも手前はなんか深そうだけど,まあいけるっしょ!そう思ってトトロの様なニターッとした笑いを浮かべているとnanaが地雷原の教訓からか身の危険を察知した様で,

nana
nana

やーめーよーうーよーーーー!!

と「通せんぼnanaダンス」を始めました.

nana
nana

ほら!
そこに水没した車がいるじゃん!

ん?
nanaの指差す方向には水の中で停止した1台の車が.
タイヤの空回りする音が虚しく響いています.
車内には途方にくれた3人組が乗っていました.
よくあることなのか,湖の沿岸に管理人らしき人たちが集まってきています.

K
K

あの車は四輪駆動じゃないからはまったんだよ!
我らの車は四輪駆動だから大丈夫!!


ほら行くよ!

もう!nanaは心配性なんだから!

進む車と
止まった車…

ま,行けるでしょうということでとりあえずnanaは無視して周りの車の様に湖に突っ込んでみました.

湖を車で進軍する無謀な冒険者たち

ざぶん!

結構水をかぶって,車内にも下の方から少々水が入ってきましたが車は無事に湖に入りました.
ウユニ塩湖に溜まっている水は,縁の近くでは1m近い深さがある場所もある様ですが,縁以外は5cm程度で靴でも大丈夫な深さです.

若干不機嫌なnanaを尻目に,こういう冒険が大好きなKはガンガン進みます.

しばらく行くと観光客が外に出て写真を撮っていました.
私たちもそこで写真を撮ってみる事に.本当に幻想的な世界です!

車に乗り込むと,案外足元には大量の水が跳ね上がって入り込んでいました.
これをスコップでかき出して出発です!

時々塩水が窓に跳ね上がり,これがすぐ乾いて塩が析出し,あっという間に視界が白くなって何も見えなくなります.
その度にウインドウオッシャー液で洗うのですが,大量に使用したので無くなってしまいました.仕方なく飲み水用に買った10Lの水を入れて走る事に.
買ってて良かった蒸留水!

しばらく行くと「D A K A R」と書いてある石碑のところまで来ました.
多くの観光客が溜まっていますが,多分お土産ショップでしょう.

私たちは急いでいるのです!
だって40km先の「鷲の島」まで行って戻ってこないといけないですもん!


…と,ここでnanaが

nana
nana

ねえ,もーどーろーうーよーーーー!

絶対,鷲の島は辿り着けないよ!
さっきから遅々として進んでないもん!!

浸水し,ウォッシャー液もなければ,ガソリンもない…三重苦の末に私たちを待ち構えるのは…!!!

nanaはまたなんか言っている様ですが,
冒険心に火のついたKは秘技・聞こえないフリです!

しかし,奥に行けば行くほど速度が出ず進めど進めど鷲の島に着けない雰囲気が漂ってきました.
そのうちウインドウオッシャー液も底をつき,かき出してもかき出しても車内にはどんどん水が入ってきます!
そして,最悪な事にメーターを見たら,水の抵抗でガソリンの燃費が悪くなり,燃料がすごい勢いで減っているのがわかりました.
出発時80%くらいはあったのにもはや半分以下しかありません.

K
K

うーん.残念!戻るか!!
ここを大和塩原と名付ける!

と,日本人初の南極探検家・白瀬大尉の様な気持ちで引き返す事にしました.
nanaはようやくホッとした様です.
帰り道,もはやウインドウオッシャー液は既に尽きてしまったので,真っ白い視界に塩水がかかる時だけ前方がクリアに見えるという状態でゆっくり戻ります.

そして1時間ぐらいかけてようやく湖のヘリまで戻り,あともう少しでウユニ塩湖を脱出できるところまで来たものの,
私たちはなんと,出口の浅い場所を見失ってしまったのです!
前方には青い海が広がっています.

「ああ,どうしよう」
そう思いましたが,まあ出れないことはないっしょ!えーい,ままよ!!

と適当な場所から加速をつけて陸に上がろうとしました.
すると

 ぶるーん!!!

タイヤが空回りしてしまっています!
なんと車が湖にプカプカ浮かんでしまったのです!!

K
K

ああ,つんだ….水没だ….
窓を開けて退避しないと!

そう思った次の瞬間,慣性の法則で水に浮いた私たちの車は前に進んでいき,車の前輪が陸地に噛んでなんとか無事(?)帰還に成功しました.
ウユニ塩湖の水が飽和食塩水だったこともあって,車が沈まずに済んだのでしょう.

いやー良かった良かった!
あそこでもし燃料があったら奥まで進んで帰れなくなるところでした.
燃料は残り10%しかありません.
水の中を走ると燃料は激減するんですね!いい勉強になりました!
…助手席の方から何やら不穏なオーラを感じますが,ひとまず放置しておきましょう!

私たちの命を救ってくれたTOYOTAに激励を

さて,本来ならこのままウユニ市内とは反対方面に進んでラパスに向かわないといけませんが,燃料がこのままでは足りません.
一旦戻って給油,そしてこの怨念の様にへばりついた塩たちを洗い流さないと故障しそうです.
だって,いくらTOYOTAの4WDとはいえ,水陸両用車両ではないですし….

とりあえずさっきのガソリンスタンドに戻って給油です.
今回は人っ子一人いません.
ガソリンスタンドのおじさんに「洗車できる?」って聞いてみたところ,「ここではできないけど,この裏手にある洗車場でできるよ」とのこと.

周辺を探し回ったもののなかなか見つからず,通りがかった人に身振り手振りで道を聞いてようやく荒野の中にポツンとあった洗車場に到着!
いろんなコースがある様でしたが,徹底洗車コース100ボリビアーノ(1,500円)にしました.

そしてここから先,Wi-Fiがないと迷子で野垂れ死んでしまうので,充電もさせてもらう事に.

冒険を乗り切って放心状態の二人はボケーっと洗車の様子を見守ります.
すると,全身長靴+雨がっぱの二人が,超強力水圧で車を洗っていきます.
ボンネットを開けて水をあてると,塩の塊があちらこちらに飛んでいきました.

お疲れ様!TOYOTA!

「ほー.すごいねー!」ってみていたところ,なんとお兄さんは窓を開けて車内まで水で洗い始めるではありませんか!

 ええええええーーー!!???

そう思ったのですがテキパキ洗って車はピカピカに.
TOYOTAはここでは車内まで水で洗うのですねー!いい勉強になりました….
その間nanaはお得意のイラストを近所の子供に書いてあげて遊んでいました.

洗車が終わる頃にはすっかり時間は夕方.
このまま進むと夜中になってしまい,ご飯を食べる場所が確実になくなってしまいます.
結局昨日と同じレストランに入り,そして結局昨日と同じホテルへもう一泊誘われることとなりました.
nanaは移動したかったらしく不機嫌MAXでしたが,まあ翌日早朝に出れば少なくともお昼過ぎのバスには乗れるでしょう.

今日もいろいろありました.明日は良い1日ならいいですね…(反省)

結び

ウユニ塩湖はかなり厳しい旅でした.
この記事を編集していると,あの時の怒りがふつふつとよみがえってきます…!
nanaはこの件でKは夢中になると人の話を全く聞かないということと,TOYOTAは素晴らしい!ということを学習しました(nanaはこうしてTOYOTA信者となった….).

因みに,ウユニ塩湖で立ち往生していた車は,私たちの帰り道には既にありませんでした.
かつてその車があった場所は午後には干上がっていて,たくさんの轍が壮絶な戦いを物語っていました…
管理人さんたちに助け出されたのか,水が干上がるまで待っていたのか…それはわかりませんが,無事脱出できた様で良かったです.

明日は早朝のまだ日の昇らない内から移動してボリビアの首都ラパスへと向かいます!
洗車されてやっとピカピカになったTOYOTAですが,
次の日また悪路を強行突破して泥まみれになるとは,まだ誰も予想していなかったのです…

<2018年3月の旅程>
日本→アブダビ→スペイン→ペルー→ボリビア(今ココ!)→ペルー→スペイン→アブダビ→日本

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