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【歴史・一般情報・飛行機・レンタカー】西サハラ(帰属未確定地域)ってどんな地域?

西サハラ

【歴史】西サハラが帰属未確定地域である所以

西サハラは1976年までスペインの植民地「スペイン領サハラ」でした.

スペインが去ったのちに北側のモロッコと南側のモーリタニアによって分割統治されました.

しかし,他国に分断されてしまえば,当然反発が生じます.
よって,西サハラ内部にポリサリオ戦線というゲリラ組織が発足しました.

そしてこのポリサリオ戦線が母体となって,国境を接するアルジェリアの後ろ盾てによってサハラ・アラブ民主共和国が成立しました.
ただし彼らは成立した時点ではいかなる領土も持たず,亡命政府がアルジェリアの首都アルジェに存在しているだけのことでした.
ただし,ゲリラのバックは石油マネーのあるアルジェリアです.
武器はそこそこ潤沢に購入可能です.

つまり
この段階で①モロッコ,②モーリタニア,③サハラ・アラブ(アルジェリアの手先)の三つ巴の戦いになります.
そう,戦争が長引く黄金パターンの「三すくみ」がここに完成してしまいました.

「三すくみ」   nana作

ヘビ(ヒバカリ)はカエル(アマガエル)を食べ,
カエルはナメクジを食べ,
ナメクジはそのネトネトした粘液でヘビを追い払います.

①モロッコ,②モーリタニア,③サハラ・アラブもこの三すくみ状態になってしまいました.
お互いが警戒し合って,膠着状態が続いてしまいました.

当初,一番喧嘩っ早い③サハラ・アラブ(アルジェリアの手先)は,①と②の二択の中では弱いと思われる②モーリタニアを徹底的に叩きます.
①モロッコは無視してフルボッコです.
喧嘩をするならやっぱりジャイアン(①モロッコ)ではなくのび太(②モーリタニア)ってことでしょうか.

その結果,3年後の1979年にはめでたく②モーリタニアは領有領土を放棄しました.

これで平和が訪れるかと思いきや,②モーリタニアが放棄した地域に「すきあり!」とばかりにジャイアン(①モロッコ)が一気に軍を進め,あろうことか全土を占領してしまいました.

しかも強いモロッコ軍に押されて③サハラ・アラブはアルジェリアの国境地帯から一歩も出てこれなくなってしまいました.

この時②モーリタニアが2度と西サハラに入ってこられないように,①モロッコはゲリラのいる東のアルジェリア国境付近に一気に「砂の壁」を築いた上に,西サハラとモーリタニアの国境地帯に無数の地雷をせっせと埋設しました.
この地雷の数はあまりに多過ぎて現在でも完全除去には至っていません.
…これがちょっと私たちに後で影響してくるんですけどね.
実際に西サハラに旅行に行って,とんでもない体験をしたお話はこちら↓

【 アフリカ 西岸南下の旅 ② 】西サハラからモーリタニアへ!黒こげになってタイヤが外れた車やバスが散乱する恐怖の国境越え
モロッコから陸路で南下を続ける私たち.今回は西サハラのダクラを出発してモーリタニアのヌアクショットへ向かいます!タクシーを乗り継いでいくのですが,国境にたどり着いた私たちを出迎えたのは黒こげの車たちと『DANGER!MINES!!』の看板!?着いた先は地雷原だった!!私たちは五体満足で日本に帰れるのでしょうか…?

と,いうことで,帰属未確定地域の西サハラは,現在ではモロッコとほぼ一体化し,モロッコ国内からバスや飛行機の国内線で簡単にアクセスできる地域になっています.

ただし,この件で右隣のお友達であるアルジェリアに嫌われてしまった結果,モロッコは陸路では隣国と全く行き来ができなくなってしまったのです.

一般情報

首都

ラバト(モロッコの首都)

言語

母語はアラビア語,多くの国民がフランス語を話します.まれに英語が通じます.

主要都市(プライメートシティ)

ラユーン(別名アイウン)

通貨

ディルハムDH 1DH=11円程度(2020年4月現在)です.

気候

全土が砂漠気候区BWまたはステップ気候区BSで乾燥して居ます.
こういう砂漠地帯は真夏でも気温差が相当大きいので,何か羽織るものがないと確実に風邪をひいてしまいますよ!

治安

だいたい良いのですが夜道は路上強盗に遭いやすいです
まあ人が少なく,物取りに遭うこともそれほど多くありません.

ただし,地図上に赤く「Berm」という表記は「砂の壁」です.
この地域より東は,統治機構のない無政府状態の地域です.
ソマリアの南半分同様に絶対に足を踏み入れてはなりません.

また,モーリタニアとの国境地帯は,地雷が多数埋まっています.現地の人の案内なしに立ち入るのは危険です.

人はいないし,商品もない… (パーキングエリアにて)

日本からの飛行機

直行便

日本からの直行便はありません

経由便(レガシー航空会社)

ヨーロッパからもラユーンやダクラに直接入る飛行機はありません.
唯一ロイヤルエアモロッコ航空ATだけが深夜便をラユーンやダクラに飛ばしています.

非常に使いづらい時間帯に設定されていますので,現実問題として長距離バス一択になります.バスはCTMが最大手です.

レンタカー事情

前にも述べましたが,政治的に微妙な場所に大手が営業所を出すわけにもいかず,ローカルのレンタカー会社が,ダクラで借りてダクラで返すという営業で細々と営業しているだけです.

移動はアガディール→アイウン(ラユーン)→ダクラまではモロッコ国営バスを利用するかタクシーをチャーターするの二択,ダクラから国境を越えてモーリタニアのヌアディフやヌアクショットまでの区間はタクシーチャーター一択です.

走っている車や車種は?

フランス車が走っています.
モロッコの主要都市に比べてもかなりのオンボロっぷりです.

どこで借りられる?

ダクラの街中にレンタカーオフィスがあります.
見つけたやっているか否か確認もできない程度に寂れていましたが,2017年3月現在,ダクラのホテルサハラから海沿いに南下したところに一軒だけありました.

道路交通事情はどうか?

モロッコ同様に日本とは全く逆の,右側通行で,車も左ハンドル車です.

ガソリン価格や運転手付きレンタルなどの諸条件は残念ながら不明です.
ローカルのレンタカーは必ず出発地点に返却しなければならないことや,基本的に西サハラに見るべき街は存在せず,多くに人が通過のために訪れていることを考えると,レンタカーを借りてどこへ行くの?というお話ですね.

道路整備状況はどうか?

道路は極めて良く整備されています.
ただし,歴史的経緯から,モーリタニア国境に近づくにつれてオフロードとなります. 

結び

いかがでしたか?

特に何か観光地がありわけでもありませんし,私たちも一泊して通り過ぎただけの地域ではあります.
しかしながら,nanaはかなりこの地域を旅行したことは印象的でした.

特に,
昼間閑散としていたのに,夜な夜などこからともなく人が集まってきて,急に市場が登場したのが,
とてもびっくりしましたし,楽しかったです.

行くのは不便ですが,近くの地域を観光した際には,寄ってみると楽しいと思います.

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